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フィエゾレの聖ドナート司教 St. Donatus de Fiesole       記念日 10月 22日


 9世紀の中頃、ドナートというアイルランド人がローマに巡礼に行き、帰りにフィレンツェの近くのフィエゾレに立ち寄った。そこのカテドラルではたくさんの人々が新しい司教選出を前にして祈るために集まっていたが、小柄のドナートが堂内に入った瞬間に教会の鐘が鳴り出し、全部のろうそくに火がともった。人々は大変驚いて、これは神が示されたしるしで、たった今聖堂に入ってきたばかりのこの見知らぬドナートこそ次の司教に選ばれるべき人だと思って彼を任命した。
 幸いにして彼は非常に信心深い人で、また学者でもあり、詩人でもあった。現在まで残っている彼の墓碑銘によると、彼はすばらしい教師であって、フランク王ロテアとルイ皇帝に仕えたと伝えられている。
 彼は修道院の創立にも助力し、850年にはバビオの聖コロンバン修道院に聖堂と宿泊所を創るために寄付した。そして教会の土地を守るために自ら武器をとることも辞さず、サラセン人に対して軍隊を指揮したこともあった。しかし彼は同時にもっとも教養ある人物として若者を喜んで教えた。司教として47年間任務を尽くし、876年に帰天した。